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インターネットを利用する現代社会では、オンラインサービスを利用するためにユーザー名やパスワードを使ってログインすることが当たり前になっています。
日常生活や仕事でも、さまざまなWebサービスを使い、そこに個人情報や重要なデータを預けています。
ところが、これらの個人情報が盗まれたり、悪用されたりするリスクが増えているのも事実です。
特に最近注目を集めているのが「クレデンシャルスタッフィング」という手法です。
セキュリティに詳しくない方にとっては、あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、この攻撃方法は非常に危険であり、私たちのオンラインの安全を脅かしています。
この記事では、クレデンシャルスタッフィングの概要から、どのようにして対策するべきかまでを解説します。
目次
クレデンシャルスタッフィングとは?
「クレデンシャル(credential)」とは、サービスやアプリケーションにアクセスするための「資格情報」や「認証情報」を指します。
たとえば、ユーザー名とパスワードがこれにあたります。
そして「スタッフィング(stuffing)」は、「詰め込む」という意味です。
つまり、攻撃者が他人の資格情報を大量に使ってログインを試みる攻撃方法のことを指します。
具体的には、以下のような流れで行われます。
個人情報の盗難:まず、攻撃者はユーザー名とパスワードを含む大量の情報をどこかから手に入れます。
この情報は、過去のデータ漏洩事件(例えば、ハッキングや不正アクセス)によって流出したものです。
ログイン試行:攻撃者はこれらの情報を使い、さまざまなウェブサイトやアプリに自動でログインを試みます。
人間の手では膨大な量の試行を行うことが難しいため、ボット(自動化プログラム)を使って高速でログインを繰り返すことが一般的です。
アカウントの不正利用:もしもユーザーが複数のサイトで同じパスワードを使っていた場合、攻撃者はそのパスワードを使って別のサイトにもログインできてしまう可能性があります。
これによって、個人情報や金銭的な被害を受けてしまうこともあります。
クレデンシャルスタッフィングは非常に手軽で効果的な手法です。
特に多くの人が使い回しのパスワードを使っている場合は、攻撃者にとってはかなりの成功率を誇る攻撃手法となってしまいます。
なぜクレデンシャルスタッフィングが問題なのか?
クレデンシャルスタッフィングが恐ろしい理由は、その簡便さと広範な影響範囲にあります。
以下の点が主な問題点です。
1.パスワード使い回しが危険
複数のサービスに同じパスワードを使い回ししている人も非常に多いです。
もし一つのサービスでパスワードが漏洩してしまうと、その情報を使って他のサービスにもログインできてしまいます。
例えば、FacebookやInstagramのアカウントがハッキングされると、その情報で銀行口座やショッピングサイトのアカウントにも不正アクセスされることがあります。]
2.自動化された攻撃
攻撃者は手動でログインを試みるのではなく、ボットを使って大量にログインを試します。
ほんの数秒もあれば、数千回以上のログイン試行が可能になります。
そうなると、人的な監視では追いつかないため、攻撃が発覚する前に多くのアカウントが乗っ取られてしまうのです。
3.データ漏洩の影響
過去のデータ漏洩で流出した情報は、長期間にわたり悪用される可能性があります。
攻撃者が過去に流出したデータベースを使ってログインを試みるため、現在では問題が解決されたと思っていても、その後何年も攻撃を受けるリスクが残るのです。
具体的な被害事例
実際にクレデンシャルスタッフィングがどれだけ深刻な問題かを示す具体例をいくつか挙げてみましょう。
・Instagramアカウントの乗っ取り
InstagramをはじめとするSNSでは、ユーザーが非常に多いため個人情報の漏洩が大きな問題となっています。
攻撃者は、過去に流出したInstagramのパスワードリストを使い、他のSNSやメールアカウントに不正アクセスを試みます。
結果として個人のプライバシーが侵害されるだけでなく、詐欺やフィッシングなどの二次被害が発生することもあります。
・オンラインバンキングの不正アクセス
クレデンシャルスタッフィングを通じて銀行口座に不正にアクセスされ、預金が引き出されるケースも報告されています。
特に、金融機関で同じパスワードを使い回しているユーザーが多いことから、悪用されるリスクが高くなっています。
身を守るためにできること
クレデンシャルスタッフィングは、予防措置を取らなければ誰にでも起こりうる問題です。
しかし、少しの注意と工夫で自分自身を守ることができます。
以下に、クレデンシャルスタッフィングから身を守るための基本的な対策を紹介します。
1.強力なパスワードを使用する
複雑で推測されにくいパスワードを使用することが最も基本的な対策です。
例えば、英数字と記号を組み合わせた12文字以上のパスワードを設定しましょう。
もし設定や管理が面倒な場合は、パスワード管理ツールを利用するようにすれば便利です。
2.二段階認証(2FA)の導入
二段階認証を設定することで、万が一パスワードが漏洩してもアカウントを不正に操作されるリスクを大幅に減らすことができます。
多くのオンラインサービスでは、SMSや認証アプリを使った二段階認証を提供しているため、これを有効にすることが強く推奨されます。
3.パスワードの使い回しを避ける
複数のサービスで同じパスワードを使い回さないようにしましょう。
一度でもパスワードが漏洩すると、他のサービスにも影響を与えてしまいます。
不正ログインされるとパスワードを変更されたり、今後ログインできなくなるといった事例もあるため、特に注意が必要です。
4.定期的にパスワードを変更する
定期的にパスワードを変更することも重要です。
特に、大きなデータ漏洩事件があった場合や、他の人にパスワードが知られてしまった疑いがある場合には、すぐに変更しましょう。
5.アカウントのログイン履歴を確認する
定期的に自分のアカウントのログイン履歴を確認し、不正アクセスの兆候がないかをチェックします。
多くのサービスでは、異常なログイン試行があった場合にメール等に通知を出してくれる機能があるので、不審な動きがないか定期的に確認するようにしましょう。
まとめ
クレデンシャルスタッフィングは、一度侵入されてしまうとご自身のアカウントに深刻なリスクをもたらします。
ですが、適切なセキュリティ対策を講じることで、こうした攻撃から身を守ることができます。
強力なパスワードの使用や二段階認証の導入は、誰でも簡単に実施できる対策です。
オンラインの安全を守るために、今すぐにでもセキュリティ対策を見直し、強化しましょう。