
クラウド型UTMの選び方と効果的な導入方法
2025.4.7個人事業主のための簡単なパスワード管理術
パスワードを「とりあえず同じもの」で済ませていませんか?
個人事業主がサイバー攻撃の標的になることは珍しくありません。実際、簡単なパスワードの使い回しが原因でメールアカウントが乗っ取られ、取引先に不審なメールが送られてしまったという事例もあります。
それがきっかけで契約が打ち切られる…なんてことも。
「自分は狙われない」という思い込みは大きなリスク。今こそ、信頼を守るためのパスワード管理を始めましょう。

目次
- 1.なぜパスワード管理が重要なのか?
- 2.強いパスワードとは?
- 3.パスワード管理のためのツール
- 4.パスワードの使い回しを避ける
- 5.二段階認証(2FA)の設定
- 6.パスワードの定期的な変更
- 7.パスワードを安全に保存する方法
- 8.トラブル時の対応
- まとめ
1.なぜパスワード管理が重要なのか?
■セキュリティリスク
個人事業主は、顧客の個人情報や請求データ、契約書類、売上管理など、外部に漏れてはならない重要な情報を日常的に扱っています。
パスワード管理が不十分だと、これらの機密データが不正アクセスや情報漏洩のリスクにさらされる可能性が高まります。
一度情報が漏れると、取引先との信頼関係に深刻なダメージを与えるだけでなく、損害賠償や風評被害といった経済的・社会的損失につながることもあります。
セキュリティ意識の甘さは、ビジネスそのものを揺るがす要因になりかねません。
2.強いパスワードとは?
■ 長さが重要
パスワードは「短くて覚えやすいもの」を選びがちですが、これは非常に危険です。
安全性を高めるためには最低でも12文字以上が推奨されています。
文字数が多いほど、機械による総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)に耐える時間が長くなり、突破されにくくなります。
できれば15文字以上を目指し、「文章のようなパスフレーズ」などを使うのも効果的です。
■ 複雑さを意識する
セキュリティの高いパスワードは、「予測されにくい構成」であることが重要です。
大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた構成にしましょう。
たとえば、「Password123」では簡単に破られてしまいますが、「P@ssW0rd!23#」のように複雑化することで、解析を困難にできます。
さらに、辞書に載っている単語だけを使わないようにすることも大切です。
■ 予測されにくい言葉を選ぶ
自分の名前・誕生日・住所・電話番号など、他人が簡単に調べられる情報をパスワードに使うのはNGです。
SNSに投稿している内容や、プロフィール欄に書いてある情報も、攻撃者にはヒントになります。
たとえば、「Taro1990」や「Tokyo123」などは非常に危険です。
代わりに、自分だけが覚えていられるフレーズや出来事、記憶に残る歌詞の一部などをベースにし、そこに記号や数字を加えるのが効果的です。
3.パスワード管理のためのツール
個人事業主にとって、すべてのパスワードを覚えておくのは難しいですが、便利なツールを使えば簡単に管理できます。
・パスワードマネージャーの活用
・おすすめツール:「1Password」「lastPass」「Bitwarden」など。
・機能:自動で強力なパスワードを生成し、保存することができます。
これでパスワードの使い回しや覚えきれない問題を解決できます。
・無料プランも充実:多くのパスワードマネージャーには無料プランがあり、少ない数のデバイスで利用できます。
4.パスワードの使い回しを避ける
■ 一つのパスワードがすべてを危険にさらす
複数のWebサービスやアプリで同じパスワードを使い回している場合、そのうちの一つでも情報漏洩が起きれば、他のアカウントも連鎖的に乗っ取られてしまう可能性があります。
これは「パスワードリスト攻撃」と呼ばれる手口で、攻撃者は流出したパスワードを使って他のサイトにもログインを試みます。
たとえば、あるネットショップのアカウントが流出しただけで、同じパスワードを使っていたメール、クラウド、SNS、銀行口座などにまで不正アクセスされる危険があるのです。
たった一つのパスワードが、全デジタル資産の“鍵”になってしまっている状態とも言えます。
■ 解決策:パスワードマネージャーを活用しよう
こうしたリスクを回避するためには、各サービスごとに異なる、強力なパスワードを設定することが理想です。
しかし、すべてを覚えるのは現実的ではありませんよね。
そこでおすすめなのがパスワードマネージャーです。
パスワードマネージャーを使えば、以下のようなメリットがあります:
・各アカウントに対して自動で強力なパスワードを生成してくれる
・パスワードを安全に一括管理できる(覚えるのはマスターパスワード1つだけ)
・スマホやPCでもワンクリックでログインできるようになる
5.二段階認証(2FA)の設定
■ パスワードだけでは不十分な時代
たとえ強力なパスワードを設定していても、情報漏洩やフィッシング詐欺によって第三者に知られてしまうリスクはゼロではありません。
そこで、もう一つの防御壁として有効なのが、「二段階認証(2FA)」の導入です。
■ 二段階認証とは?
通常のログイン(IDとパスワード)に加え、別の方法で本人確認を行うセキュリティ機能です。
これにより、仮にパスワードが漏れてしまっても、攻撃者は2段目の認証が突破できない限りログインできません
6.パスワードの定期的な変更
■ 一度作ったパスワード、放置していませんか?
どれだけ強力なパスワードを設定していても、一度でも情報が漏れれば無防備な状態になってしまいます。
とはいえ、「すべてのパスワードを一気に変更する」のは現実的ではありませんよね。
そこでおすすめなのが、重要度の高いアカウントだけでも、定期的にパスワードを見直すという方法です。
■ 特に注意したい“重要なアカウント”とは?
次のようなサービスでは、数ヶ月〜半年に一度のパスワード変更を習慣にするのが理想です:
・銀行・ネットバンキングなどの金融系アカウント
→金銭に直接関わるため、狙われやすく、被害も大きくなりがちです。
・顧客情報・取引先情報を扱う業務用アカウント
→漏洩すれば信用問題に発展する恐れがあり、個人事業主としては致命的。
また、最近利用していないアカウントや、過去に流出が確認されたサービスについても、一度ログインしてパスワードを変更しておくと安心です。
7.パスワードを安全に保存する方法
■ 紙に書いておくのも一つの手…でも
パスワードをすべて覚えておくのは難しいですよね。
そのため、ノートや付箋などに書いておくという方法を取っている方も多いかもしれません。
確かに、忘れる心配はなくなりますが、これには大きなリスクがあります。
・メモを紛失してしまう
・外出先で落とす・置き忘れる
・オフィスや自宅で第三者に見られてしまう
といったトラブルが発生すると、パスワードが一気に漏れてしまう可能性があります。特に、他人に見える場所に貼ってあるメモやノートは、完全に無防備です。
■ 安全に管理するなら、パスワードマネージャーが最適
こうした手書きメモのリスクを避けるために、パスワードマネージャーの利用が強く推奨されます。
パスワードマネージャーを使えば:
・複数のパスワードを一括で安全に保存・管理できる
・覚えておくのはマスターパスワード一つだけ
・自動入力機能で、ログイン作業もスムーズ
・デバイス間で同期できるため、PCでもスマホでも利用可能
・多くのサービスが暗号化技術で高いセキュリティを実現
8.トラブル時の対応
■ まずは、速やかにパスワードを変更
「パスワードが漏れたかもしれない」「怪しいログイン通知が届いた」そんなときは、できるだけ早くパスワードを変更しましょう。
被害の拡大を防ぐためには、スピードが命です。
特に次のような状況では、即時の変更が必要です:
・見覚えのない場所・時間でのログイン履歴がある
・不審なメールや通知が届いた
・パスワードが記載された漏洩リストに含まれている(※「Have I Been Pwned」などで確認可能)
まとめ
・強力なパスワードを使用し、パスワードマネージャーで一元管理。
・二段階認証(2FA)を設定してさらにセキュリティ強化。
・パスワードの使い回しを避け、重要なパスワードは定期的に変更する。
パスワード管理は面倒に感じるかもしれませんが、ツールを活用すればずっと簡単になります。
個人事業主にとって、これらの簡単なステップを実践することで、オンライン上でのセキュリティを大きく向上させることができます。