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2024.12.10【ゼロクリック攻撃】とは?解説します
インターネットが普及した現代社会では、様々な便利なサービスやアプリケーションに誰でもアクセスすることができます。
SNSで友人とやり取りしたり、メールを送受信したり、ショッピングサイトで買い物をしたり。
これらの行動は、私たちの日常生活に欠かせないものとなっています。
しかし、便利である一方で、インターネットには多くのリスクも潜んでいます。
特に、サイバー攻撃や不正アクセスは年々巧妙化しており、私たちの個人情報やデバイスが狙われる危険性が高まっています。
その中でも最近、注目を集めているのが「ゼロクリック攻撃」という新たな攻撃手法です。
これを知らずにいると、気づかないうちに大きな被害を受ける可能性があるため、しっかりと理解して対策を取ることが重要です。
目次
ゼロクリック攻撃とは?
ゼロクリック攻撃とは、ユーザーが何も操作をしていなくても、攻撃者が遠隔からデバイスに侵入し、情報を盗んだり、悪意のあるコードを実行したりする攻撃手法です。
通常、モバイルデバイスや通信アプリ(SMS、メール、lineなど)を標的にし、ユーザーが単にメッセージを受信するだけで感染することがあるため、非常に危険です。
ゼロクリック攻撃は、通常のユーザーの行動を一切必要としないという厄介な攻撃です。
例えば、受信したメッセージや添付ファイル、リンクをクリックすることなく、攻撃者はリモートでデバイスを操ることができます。
そのため、ユーザーが気づくことなく、悪意のあるコードが実行されることがあります。
この手法を使って、スパイウェアやランサムウェアをインストールしたり、個人情報を抜き取ったりすることも可能です。
具体的な事例
ゼロクリック攻撃の代表的な事例としては、iMessage(Appleのメッセージアプリ)を利用した攻撃が挙げられます。
2020年には、NSO Groupという企業が開発した「Pegasus」というスパイウェアを使用して、ゼロクリック攻撃を実行していることが明らかになりました。
参考:
「iMessage」に脆弱性、スパイウェア「Pegasus」の感染から発覚 AppleがiOSやmac OSなどに対策アップデート配信
この攻撃では、ユーザーが特定のメッセージを受信しただけでデバイスに感染し、ユーザーの通話内容やメッセージ、位置情報などが盗まれるという被害が発生しました。
メッセージを開く必要がなく、ただ受信するだけで悪意のあるコードが実行されてしまうため、非常に危険です。
なぜゼロクリック攻撃が発生するのか?
ゼロクリック攻撃が発生する背景には、主にソフトウェアの脆弱性が関わっています。
アプリケーションやOSの中に、攻撃者が悪用できるセキュリティの穴(バグや不具合)が存在することがあります。
これらの脆弱性を悪用して、攻撃者はユーザーが何の操作もしていない状態でも、遠隔からデバイスにアクセスできるのです。
ゼロクリック攻撃が発生する主な理由の一つは、通信アプリやメッセージングシステムにおける処理の複雑さです。
これらのアプリケーションは、ユーザー間でデータを送受信する際に膨大な情報を扱うため、その過程でエラーや不具合が発生しやすくなります。
攻撃者はそのような隙間を突き、メッセージや通知を通じて悪意のあるコードを送り込むことができるのです。
さらに、ゼロデイ脆弱性(まだ修正されていない新たな脆弱性)が発見された場合、その情報を持つ攻撃者がターゲットを狙うことでゼロクリック攻撃が成立します。
こうした脆弱性は、ソフトウェアの開発者が問題を認識し、修正パッチを配布する前に悪用されることが多いため、攻撃が非常に効果的であるといえます。
ゼロクリック攻撃を受けないための対策方法
ゼロクリック攻撃はユーザーが何の操作もせずに発生するため、防ぐためには積極的なセキュリティ対策が必要です。
以下に、ゼロクリック攻撃を受けないための対策方法を紹介します。
1.ソフトウェアやOSの定期的なアップデート
セキュリティパッチを適用することで、ゼロデイ攻撃や脆弱性を悪用する攻撃を防ぐことができます。
OSやアプリケーションのアップデートは、攻撃を防ぐための基本的な対策となります。
2.信頼できるアプリのインストールのみ
不審なアプリや未知のソースからインストールしたアプリを避け、公式のアプリストア(Google PlayやApp Store)を利用するようにしましょう。
不正なアプリが悪意のあるコードを隠している可能性があるため、信頼できるソースからのみインストールすることが重要です。
3.強力なセキュリティ設定
端末には強固なパスコードや指紋認証、顔認証などのセキュリティ設定を施し、デバイスへの不正アクセスを防ぎましょう。
これにより、もし攻撃を受けてもデバイス内の情報が守られる可能性が高くなります。
4.不明なリンクや添付ファイルを開かない
メッセージや通知に添付されたリンクやファイルは、送信者が不明であれば開かないことを心がけましょう。
特に、不審なリンクや予期しないメッセージを受信した場合は注意が必要です。
5.通信アプリのセキュリティ強化
メッセージングアプリやメールアプリのセキュリティ機能(暗号化や二段階認証など)を有効にして、リモートからの不正アクセスを防ぎましょう。
特に通信内容が暗号化されていない場合、情報が第三者に漏れるリスクが高くなります。
6.不必要なサービスを無効化
使用していない機能(Bluetooth、Wi-Fiなど)をオフにすることで、リモートからの攻撃を防止することができます。
特に、公共のWi-Fiなど不安定なネットワークに接続しているときは注意が必要です。
まとめ
ゼロクリック攻撃は、ユーザーが何も操作しなくても攻撃者がデバイスにアクセスできる非常に危険な攻撃手法です。
これに対抗するためには、ソフトウェアやOSの定期的なアップデート、信頼できるアプリの利用、強力なセキュリティ設定を施すことが必要になります。
また、不明なリンクや添付ファイルを開かない、通信アプリのセキュリティを強化する、不要な機能をオフにするなど、日常的なセキュリティ意識を高めることが防止の鍵となります。
ゼロクリック攻撃は高度で巧妙ですが、適切な対策を取ることでリスクを大きく減らすことができます。
自身のデバイスを守るため、セキュリティ対策をしっかりと実践しましょう。